便秘の患者さんに対し、緩下剤や浣腸を用いても便が出ない時…ありますよね。
自分で腹圧がかけられない寝たきりの方は特に便がたまりやすい。
そんなとき、指を入れて便が直腸まで下りてきているか確かめる
場合によっては掘る、そんな技術…摘便。
緩下剤飲んだけど反応便ない…先輩に聞いたら「便おりてきちょった?」「便触れた?」って聞かれるけど、
便に触れるってどんな感覚なん…?
と最初は???な私でしたが
今では分かります。
なんなら摘便好きです。もりもり出てきたらめっちゃ嬉しいです。
看護学校では軽く習うレベルの摘便ですが、臨床の現場では結構出番が多い摘便さん。
勉強しなおしてみると意外と奥深い…。
というわけで、こちらの記事では
・便に触れるってどんな感覚?
・摘便するときに気をつけること
・摘便技術向上のために知っておくべきこと
をまとめています。
摘便迷子の方に参考になれば嬉しいです。
摘便とは?
患者の肛門に指を挿入し、直接便を排出させる手技。
全身状態が悪い方や肛門に潰瘍などの損傷がある人は実施しない。
便に触れるってどんな感覚?
これですよね。
これは、実際に指を入れてみたら分かります。
「え?わかんないよ…。恐る恐る人差し指入れてみたけどさ、何も触れなかったよ。
そこには…沼というか泥というかがあるような感覚しかなかった!」
という方、その患者さんは便が降りてきていないだけです。
ぬるっとした世界を体験したならば、「便塊触れず」でいいんです。
便が触れると、指先にころっと来ます。
硬便ならばお腹の上からでも触れることが出来ます。
柔らかいお便の場合は指を入れた時に”触れる”というより指が”埋もれる”感覚に近いです。
気を付けること
便が触れるしいっぱいある!全部かき出す!!目標をセンターに入れてかき出す!
気持ちは分かる…!でも無理はダメなんです。
自分もそうだと思いますが、肛門に指入れられてる訳で、羞恥心も身体的侵襲も強いわけです。
・患者さんの羞恥心へ配慮する
・直腸内がからっぽになることで迷走神経反射を起こす可能性がある
・無理にかき出すと腸管を傷付ける可能性がある
摘便技術向上のために
・指でひっかけてかき出すのではなく、指は直腸壁に沿ってまわしていく
・指の腹でとるのではなく、指の背にのせていく
・指の背に便を添えながら、指を背部側に軽く押して、肛門を広げてあげる
・一人はお腹を直腸の走行に合わせてお腹を押して腹圧をかけてあげる
おわりに
どうでしたか?指を入れて便を出す技術で、言葉だけで聞くと簡単そうですね。
しかし、上記のように気を付けることも多い技術です。
どんな手技もそうですが、危険があることを念頭に入れて処置を行いましょう!
是非、お便が出る喜びを共に感じましょう!
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