「思い通りに育ったよ」アンパンマン、ブラックノーズと魔法の歌【映画感想】

アンパンマン

はじめに

こちらの作品はAmazonなどでのレビューも高く、『感動した』との声が多く聞かれる作品でございます。

この映画見すぎて2歳の子供も「カーナちゃん!」と言うようになりました。

 

もちろん全力でネタバレがあります!ご了承ください。

概要

・アンパンマンの映画 22作品目

2010年(平成22年)7月10日公開

・監督:矢野博之

・同時上映作品はそれいけ!アンパンマン はしれ!わくわくアンパンマングランプリ

 

あらすじ

嵐の夜に飛ばされ、暗闇の森の谷底に落ちたひな鳥のカーナ。

そこにはブラックノーズという魔力を持った魔女が封印されていた。

ブラックノーズはカーナを人間の姿に変え、

「笑顔やダンス、美味しいものは悪いことだ」

「暗い世界にすることが、皆が幸せになることなんだ」

と言い続けカーナを育てる。

ある時、ブラックノーズは世界を暗くするよう「暗闇の笛」を持たせカーナを町へ送りこんだ。

ブラックノーズの目的は世界を暗くすることで、自分の封印を解くこと。

もちろんカーナはそんな事は知らず、夜な夜な「暗闇の笛」を吹きます。

暗闇の笛のメロディを聞くと、人々の心は真っ暗にになり活気が無くなっていくのです。

そんな中、アンパンマンやジャムおじさん、メロンパンナちゃんなど、たくさんの人と触れ合う事で

「笑うのは悪い事なの?」

「楽しいことはいけないことなの?」

お母さまとして慕っているブラックノーズの言葉に疑問を持ち始めます

 

そして、自分が騙されていたと気付いた時には、世界は真っ暗闇になっていました。

 

感想

 

親の言葉・価値観は子供の人生を左右する

私が最初にこの映画を見た時に感じたのは、

親の言葉、価値観は子供の人生を左右する」という事です。

”笑顔は悪い事” 

”食べ物は美味しくなくていい、体が大きくなれればいい” 

”歌やダンスなんてくだらない”

そう言って育てられてるもんだから、最初はカーナもアンパンマン達にぶっさめですよ。何言ってんの?こいつら状態。

美味しいスープも焼きたてのパンも食べずにね、四角い・灰色の物体を食べてるんですよね。

もう見た目にも美味しくないんだけど、彼女にはこれが普通

こうやって生きてきたし、親であるブラックノーズがこう言ってるし

 

一人の親として、自分の価値観を見直すよう意識した場面でした。

さすがにここまで極端だったら世間とずれてるかも?って感じられるかもしれませんが、ちょっとのズレが子供の中で「標準」になるんですよね。

 

例えばなんですけど。

うちでは食事の時、子供がこぼしたり、汚したりしてもいいように、椅子の下にシートを引くんです。

で、片付けするときに、机の上にある食べかすとかも「ついでだから」って下のシートにポイポイッとまとめちゃうんですけど。

ある日外食した時、食べ終わってちょっと机の上をきれいにしようとしたら、

子供が机の上のものをポイポイッと机の下に落としてたんです。

 

これって普段やってるから、子供の中で正解になってるんじゃない?って。

ブラックノーズの洗脳とまではいかないにしても、親の言葉や価値観、行動って子供にとってお手本なんですよね。

 

この映画を見て、まず感じたのがこの親としての在り方でした。

 

We are the world感に泣ける

 

終盤、ブラックノーズに騙されていた事を知った時には世界は暗闇の中

暗闇の笛で世界を暗くすることは出来ても、この世界をどうにかする術は分からない

「私のせいだ…」

絶望の中にいるカーナ。

真っ暗になった町の人達。

ヒヨコに姿を変えられた主要メンバー(食パン、カレー、ジャム、バタ達)、もうボロボロのアンパンマン。

 

もうだめだ…諦めそうになった時、アンパンマンの声が聞こえます。

 

「諦めないぞ…僕は諦めない…!絶対に…‼」

 

その姿を見て、以前アンパンマンやメロンパンナちゃんから貰った言葉を思い出すカーナ。

 

「僕に出来る事は顔をあげることだけど、誰でも、誰にでも出来ることはあると思うよ。誰かのためにほんの小さなことでも。」

 

「歌うの。歌うと不思議と元気が出てくるの。笑顔になるの。」

 

そして誰かのために自分が出来ることを考え、カーナは「アンパンマンのマーチ」を歌い始めます。

でも、ブラックノーズが「何のつもりだい、1人で歌なんか歌って」と静止が入る。

そこでメロンパンナちゃんが登場し、続きを歌いだす!

 

この一連の流れが、私的に泣き&鳥肌のゾーンでございます!!

この流れは何回見ても泣きます。

カーナは歌を歌いたかった、でもずっとダメって言われてたから歌えなかった。

でも、勇気を出して歌いだした

 

”そうだ、嬉しいんだ生きる喜び。たとえ胸の傷が痛んでも”

 

しかしすぐに、ブラックノーズから否定の言葉が降り注ぐ

でも、そこにメロンパンナちゃんが来て『歌っていいんだよ、一緒に歌おう』と言わんばかりに一緒に歌ってくれた

だから彼女は大きな声で歌えたんです!!!

 

その後は町の人もバイキンマンまでアンパンマンのマーチを大合唱

これはね、アンパンマン界の「We are the world」なんですよ。

昔、音楽の授業で見た光景が浮かび上がってきます。

きっと(想像)何本かのマイクの前にたくさんの声優さんが集まって、このアンパンマンマーチを歌ってるんです!

壮大!

皆が歌うんです。語りかけてくるように。

 

”何のために生まれて、何をして生きるのか。答えられないなんて、そんなのは嫌だ”

 

耳を澄ませば色んな人の声が聞こえてきます。

チーズやかまめしどん、かばおの声も…山寺宏一…

子供が見る分には少し暗い場面が多い

終盤は歌が流れて、ごきげんに終われますが、そこに行くまでが暗いです。

夏祭りのシーンはちょっとハッピーですが、カーナの心情を考えると

手放しに楽しめる状況ではないです

 

あの暗さがあってこそ、最後の歌に繋がりWe are the anpanman worldになるんですけどね。

あとは単純にブラックノーズが怖い。

声優が野沢雅子さんですが、怖さがはんぱない。時々悟空出てくる。

 

カーナが騙されたことに気付いて、アンパンマン達に助けを求めに行ったとき、

今までのカーナのしたことを全部バラすという鬼畜の所業

マジで魔女。

でも、とことん悪役だから最後は「やっちゃえー!!」って気分になれる。

おわりに

 

【映画】それいけ!アンパンマン~ブラックノーズと魔法の歌~の感想でした。

この映画を見て私が感じたことは大きく3つです。

1.親の価値観がもたらす子供への影響を考え、自分の価値観を見直し続ける大事さ

2.諦めない。いつでも私達にはアンパンマンがいる。アンパンマンは決して諦めない。

3.誰にだって出来ることがある。自分のそれを見つけるだけでなく、子供の出来ることにも目を向ける。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

全てのアンパンマン好きに幸あれ!

2022.6月 アジフライ

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